08-位置決め調整ピンの使い方

緒言

最近設計しているかなり位置精度が必要なテストベンチに置いて、いろんな位置決め方法を試しながら応用してみました。今回の設計に、表記の位置決め調整ピンも採用する予定です。では、この位置決め調整ピンについてメモします。

架台などでよく使われてる高さ調整ボルトと似たような原理で、ナットで位置調整ピン(もしくは位置調整ボルト)の先端位置を調整する。この位置決め調整ピンの使い方、活用方法について記述します。

【図1】ワークセットテーブルの高さ調節の事例

調整方法

位置決め調整ピンは調整ごナットで最終位置を決めるようになっているので、ナットを締める際、位置決めポイントは多少ずれます。なので、この作業は繰り返して実施しなければなります。目標位置の近くまで調整した後に、ナット緩んでる状態でピンの微調整を行い、最終調整はネジ部の若干塑性変形を目安としてよいでしょう。なかなかややこしい作業でもありますね。

調整精度

用途によって、調整時必要な調整目盛りも変わります。高精度な微調整が必要な場合、細目のボルトを使えば、調整しやすくなります。逆に言えば、精度度合いはそんなに求めていない場合、並目の調整ボルトを採用した方が効率的だと思われます。

耐久性

頻繁に位置調整を行う場合、位置調整ピンの先端ポイントの変形や摩耗発生する可能性があるため、それを防ぐには、調整ピンの素材をSUSにするか、もしくは熱処理で45Hrcの硬度を採用する。

相手部品

位置決め調整ピン先端の対抗側の面は一般的に平面度と硬度が好ましいでしょう。コストもしくは素材特性などの原因で、対向側にストップピンを付けても一手ですね。

【図2】ストップピン使用事例

活用

高さ調整以外に、横でも調整でき、また位置調整ピンの数を増やすことで、平面度、平行度の調整もよりしやすくなるでしょう。

【図3】長いワークの平行調節と調整ねじ

バリエーション

根本は一緒ですが、用途などによて形の種類は豊富です。👉Misumiの倉庫 URL